全体の奉仕者である公務員にも表現の自由は保障されています。
職務上の秘密を漏らしたり、他人のプライバシーを侵害したりするような場合は別ですが、基本的には思うところを公表することは認められています。
ただ、職員がブログをしていることに好意を持たない職場もまだ残っています。
無事に過ごすことが大事な公務員にとって、あえて波風を立てる必要もありません。
ブログをしていることを自分から職場にばらす必要性は少ないでしょう。
目次
公務員のブログがばれると
仕事がやりにくくなるおそれ
ブログをしていることがばれると仕事がやりにくくなることもあります。
特に政治的な意見や組織内部の問題を話題にしたものは問題視されるおそれが大きいでしょう。
確かに、ブログをしていることを公表してしまう選択もあり得ます。
ブログを通しての自己ブランディングが有効な場合もあるでしょうし、有名ブロガーであれば、外部とのやり取りに便利な場面もあるかもしれません。
しかし、組織内部では煙たがれることこそあれ、ありがたがられることはほとんどありません。
本人に面と向かって話すようなことはありませんが、陰では記事のあら捜しをしています。
嫉妬なのか、やっかみなのか、出る杭は打たれるのです。
自由なブログが書けなくなる
また、ブログをしていることがばれると、自由な記事を書けなくなることがあります。
職員がブログをしていることを知れば、上司はそのブログをチェックするようになるでしょう。
上司だって何か問題があれば責任を問われかねないのですから、仕方ないのでしょう。
でも、上司に呼ばれて注意されるかもしれないと思うと、自由な記事投稿もできなくなります。
職場だけでなくプライベートまで縛られるなんてつまらないことです。
ブログアフィリエイトは絶対ダメ
さらに、ブログでアフィリエイトをすることはできません。
そもそも公務員がブログでアフィリエイトをすること制限されています。
承認または許可を得ればできる例外規定もありますが、現状では極めて困難です。
しかし、実際のところ職場にばれさえしなければ公務員がアフィリエイトをしていても、問題になることは表向きありません。
お小遣い稼ぎ程度のアフィリエイトであれば、お目こぼしになっていることもあるでしょう。
しかし、職員が運営しているとわかっているブログで、アフィリエイトをすることまで認めてくれる職場はないでしょう。
上司にとっては責任問題に直結しますから、アフィリエイトをやめるよう指導されるます。
場合によってはブログ自体の閉鎖も支持されるかもしれません。
同僚の不公平感も強いものがあるでしょう。
直属の上司、場合によってはさらに上の期間に密告されることもあるかもしれません。
いずれにせよ、職場と対峙しても構わないという明確な主張がない限り、公務員がブログをしていることを公表する意味は大きくありません。
公務員のブログがばれるパターン
自分が公表していなくても、ブログをしていることがばれる場合があります。
ばれるのにはそれなりの原因があり、ある程度パターンが決まっています。
本人が知人に話してしまう
「ブログやってるんです」
親しい友人であっても、他人に話してしまったら最後です、隠したままにしておくことはほとんど不可能です。
どれが自分のブログかを話さなくても、知人の方から探し出してくれます。
ブログにわずかでも個人的な情報が入っていれば、そこから特定してくれます。
現実世界での出来事を詳細に書いていしまう
周囲の人との会話の内容とブログの記事とのシンクロから本人が特定されてしまうことがあります。
イベント参加やスポーツ観戦等の趣味性の強い話題は特に危険です。
日時が特定されていることに加えて、本人の個性が表現されている記事になっていることが多いからです。
現実社会でも活き活きと話す話題ですから、周囲の人の耳にも入ってしまいがちです。
他人の記憶にも残りやすく、詳細に調べられるおそれもあります。
写真等を分析される
読まれるブログにするためには写真や動画をアップロードするのが効果的です。
しかし、写真等から本人が特定される危険性も高まります。
属性データを分析することで撮影日時や使用機材を特定できる場合があります。
背景から撮影日時を特定できることもあります。
SNSと連動させてしまう
現実世界での言動をコントロールしていても、SNSでうっかり、ということも少なくないようです。
Facebookは実名登録ですし、Twitterはブログ以上に本人が特定されやすいものです。
SNSとの連動は、自分から正体をアピールしているようなものです。
どうしてもSNSと連動させたいのであれば、専用アカウントで作成したものに限定すべきです。
この場合でも「誤爆」の危険があるので、慎重な運用が必要です。
公務員がブログをするために必要なこと
公務員がブログをしていることを公表してもいいことは多くはありません。
隠そうとしても、ちょっとしたことでばれてしまいます。
そうであるなら、政治的な意見や組織内部の問題には触れない、現実世界との結びつきのない内容のブログを書いていくことが有効な対策となります。
もちろんSNSとの連動もアフィリエイトもやりません。
これなら本人がばれる危険は少ないですし、ばれても問題となることもほとんどないでしょう。
問題は、書いていても読んでも面白くないブログとなってしまうことです。
ブログは自己表現の場と割り切って、それに付随する不利益を甘受するのも一つの考え方です。
自分の不利益とならないように面白くないブログを書き続けるのも一つの考え方です。
自己主張して不利益を受け入れるか、不利益を受け入れずに自己主張を歪めるか、結局は個人の考え方次第ではあります。