ウーバーイーツ(Uber Eats)は2014年8月にはじまったオンラインフードデリバリーサービスです。
2016年9月に日本でもサービスを開始、利用者をどんどん増やしています。
このウーバーイーツ、一般の人が配達員となって報酬を得られるため、副業の手段としても注目されています。
ただ、公務員は懲戒処分になるおそれがあるので、縁のない副業だといえるでしょう。
目次
ウーバーイーツは副業としておもしろい
ウーバーイーツの仕組み
ウーバーイーツは飲食店の料理を一般の人が配達する仕組みで、注文者はスマホアプリを使って、ウーバーイーツに登録している飲食店に料理とその配達を注文できます。
配達員は配達を完了させることで報酬を得ます。
配達員となるためには、ウーバーイーツに登録する必要があります。
手続きは簡単で、スマホなどにウーバーイーツのアプリをダウンロードして、次の3つを登録するだけです。
- 連絡先(メールアドレス・携帯電話)とパスワードの登録
- お名前の登録
- お支払い方法の追加
既にUberアカウントを持っていれば、ウーバーイーツのアプリにログインするだけで大丈夫です。
ウーバーイーツの配達員の報酬
配達は、配達依頼があった飲食店に向かい、料理を受け取り、注文者に届けることで完了します。
配達報酬は、基本的には、固定制の料理店からの受取料金と注文者への受渡料金に、従量制の距離料金が加えられて計算されます。
また、昼食・夕食時や週末など混雑する時間帯や曜日、雨天などの悪天候時などにはブーストと呼ばれる加算があります。
さらに、不定期で特別キャンペーンがあって報酬が加算されることがあります。
ウーバーイーツの副業としてのメリット
ウーバーイーツの配達員はどんどん増えていて、郊外でも見かけるようになりました。
ウーバーイーツには副業としてメリットがあり、それに惹かれているのでしょう。
- 好きな時間に働ける
- 好きな場所で働ける
- 支払サイクルが短い
好きな時間を選べる
ウーバーイーツはシフトなどで働く時間を固定されないので、配達員は自分の好きな時間に配達するのが基本です。
自分の暇な時間だけでもいいですし、ブーストを狙って混雑する時間帯や悪天候時にするのも構いません。
急な空いた時間にスポットで配達する、といったこともできます。
好きな場所を選べる
注文依頼を選べるので、自分が配達する場所を選ぶことができます。
平日に注文が多くなるビジネス街を中心にしたり、休日には住宅街に絞ったり、配達する場所を自分で決めることができます。
より多くの報酬を得るためには、基本的には土地勘のある場所や注文の多い場所を選ぶことが必要になりますが、あえてそれ以外を選択することも可能です。
支払サイクルが短い
報酬の支払いは、月曜午前4時締めの翌月曜支出、実際の振り込みがその週の月~木曜日となっていて、サイクルがとても短くなっています。
急いでお金が必要な人にはありがたい仕組みです。
ウーバーイーツでは月収数万円程度を継続して稼いでいる方も結構いらっしゃるようです。
ウーバーイーツは公務員に最悪の副業
多くのメリットがあるウーバーイーツですが、公務員の副業としては最悪なものの一つです。
副業をしている公務員が避けたいのは、身バレ・顔バレと収入バレです。
ウーバーイーツは身バレ・顔バレの危険がいっぱい
ウーバーイーツの配達員は多くの人に顔を見せることになります。
飲食店や注文者はもちろん、街ですれ違う人にも顔をさらしながら配達しなければなりません。
あの特徴的な大きなバッグ(通称ウバッグ)を背負って自転車なりバイクなりに乗っていますし、時間に追われているので運転が雑になっている人もいます。
通行人からすると、はっきりいって邪魔なので、結構目立っていますし、不愉快に思っている人も少なくありません。
知り合いのいない場所で配達しているから大丈夫、ともなりません。
注文の多い場所は当然人が多い場所です。
あなたが知り合いと思っている人はいないかもしれませんが、あなたの顔を知っている人は意外といるものです。
「住民」からの通報をバカにしてはいけない
飲食店や注文者、不愉快に思った通行人の中に、あなたの顔を知っている人がいたらどうなるでしょう。
あなたの副業が噂になるでしょうし、最悪の場合には「住民」から役所に通報されます。
組織の事情に詳しい同僚が「住民」ということもあります。
具体的な通報が適切な部署にあれば、当局は調査をしなければならなくなります。
特に具体的な職員名と副業の内容が明確で、しかも職員の非違行為に対して厳しい期間に通報があった場合は、極めて深刻な事態です。
顔バレ・身バレは懲戒処分につながる
調査の結果、ウーバーイーツから報酬を得ていることがばれれば、懲戒処分の対象となります。
報酬は銀行振り込みですから、証拠はばっちりです。
前年に確定申告をしていたら言い逃れはできないでしょう。
ウーバーイーツ以外にも副業はある
ウーバーイーツでの副業がばれれば懲戒処分
公務員は、国家公務員法または地方公務員法で副業が制限されています(国家公務員法第103条第1項、地方公務員法第38条)。
人事院の承認または任命権者の許可を得ることで副業をすることができます(国家公務員法第103条第2項、地方公務員法第38条)。
しかし、この承認または許可には基準があり、ウーバーイーツでの副業はこれを満たすものではありません(人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)及び人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について)。
ウーバーイーツでの副業は国家公務員法・地方公務員法に違反することになり、懲戒処分の対象になります(国家公務員法第82条、地方公務員法第29条)。
人事院の「懲戒処分の指針について」によれば、自ら営利企業を営むことの承認を得る手続を怠り、これらの兼業を行った職員は、減給又は戒告とする、のが標準となっています。
ウーバーイーツの報酬では割に合わない
減給または戒告となる危険を冒して得られるのがウーバーイーツからの月数万円程度の報酬では、まったく割に合いません。
もっと公務員に向いている副業はあります。
そちらを選んだほうが賢明です。