タイトルがすべてのようですが、公務員がユーチューブ(YouTube)をしても、基本的には問題ありません。
公務員であっても表現の自由を奪われることはなく、趣味として動画投稿をしていくことは可能です。
ただし、公務員は全体の奉仕者であることから、一定の服務上の義務がある点には注意が必要になります。


公務員もユーチューバーになれる

ユーチューブ(YouTube)とは

ご存じだとは思いますが、ユーチューブ(YouTube)は、米国発の動画共有サービスです。
見るだけでなく、誰でもアップロード(投稿)して作品を公開できる画期的サービスで、今や20億人近いユーザーに利用されています。

動画は文字情報よりも訴求力が高く、広範囲に影響を及ぼすことも可能です。
一般人でも自己表現できる場所としての意味は大きく、またYouTubeがきっかけで有名になる人もたくさんいます。

ユーチューバー(YouTuber)とは

ユーチューバー(YouTuber)は、広義には、ユーチューブ(YouTube)に動画をアップロードしている人をいいます。

ユーチューブ(YouTube)には、投稿した動画が他のユーザーに視聴される等により広告収入を得られる機能があります。
YouTubeパートナープログラム(YPP)がそれで、ここからの収入によって生活している人が狭義のユーチューバー(YouTuber)です。

ユーチューバー(YouTuber)になるには

ユーチューバー(YouTuber)になるのに特別な資格等は必要ありません。
ユーチューブ(YouTube)のアカウントを作成し、そのアカウントに動画をアップロード(投稿)すればもう(広義の)ユーチューバー(YouTuber)です。

確かに、動画の撮影や編集等にはそれなりの技能が求められますし、より視聴されるものにするためには高度な技能が必要になるかもしれません。
しかし、それらは動画を投稿しながら覚えていくことも十分可能です。
ユーチューブ(YouTube)に動画を投稿すれば、まずはユーチューバー(YouTuber)になれます。

公務員もユーチューバー(広義)になれる

公務員であっても国民としての権利は保障されており、表現の自由は認められています。
動画の投稿は保障された表現の自由のうちにあり、禁止されるものではありませんから、動画投稿を趣味とすることに問題はありません。
公務員であっても広義のユーチューバー(YouTuber)になることは当然に可能です。

公務員ユーチューバーには制限がある

しかし、公務員は「全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念」しなければならないことが法律上定められており、服務義務を守ることが求められます。

特に

  • 信用失墜行為の禁止
  • 秘密を守る義務
  • 職務に専念する義務
  • 政治的行為の制限

には注意が必要です。

  • 職務の公正性や中立性に疑義を生じさせる
  • 他人や組織を誹謗中傷する
  • 他人に不快・嫌悪の念を起こさせる
  • 他人の権利利益を侵害する
  • 公序良俗に反する
  • 差別的発言等社会規範に反する

等のおそれがある動画は公務員としての資質を疑われるものですから投稿すべきではありません。

また、職務上の秘密に関する事項は絶対に投稿してはいけません。
職場等を不用意に撮影すると、秘密に属する事項が映りこんでしまう危険があることにも気を付けなければいけません。

さらに、所属や氏名の一部または全部を明らかにして動画投稿すると、所属する組織の見解を示すもの誤解され、一人歩きするおそれがありますから、極めて慎重に行うべきです。

もちろん出張中や残業時間を含む勤務時間中の撮影や投稿、職場のPC等からの投稿は絶対ダメです。

公務員はユーチューバーは収益化しない

加えて、収益化についても問題があるでしょう。

公務員には副業制限が課されています(国家公務員法第103条、地方公務員法第38条)。
これに違反すると懲戒処分の対象となります(国家公務員法第82条、地方公務員法第29条)。

ユーチューブから広告収入を得ることは、国家公務員法・地方公務員法が制限する副業にあたり、懲戒処分の対象となります。

動画投稿自体は問題になりませんが、広告収入を得たことがばれれば懲戒処分になりかねないことには注意が必要です。

公務員は違法行為は絶対にしない

当然のことではありますが、違法行為は絶対にあってはいけません。
特に公務員は一般の方よりも批判を受けやすい立場なので、より慎重になる必要があります。

速度超過や危険な運転、暴力行為や窃盗などの犯罪行為の証拠を投稿するのは論外です。
加えて、刺激的な動画をつくろうとして違法行為になるようなことは避けなければなりません。
特にユーチューブでは、

  • 著作権侵害
  • 違法アップロード
  • 名誉棄損罪
  • 侮辱罪

等には注意が必要です。

公務員ユーチューバーは趣味とするのが安全

結局のところ、公務員がユーチューバー(YouTuber)をしていくためには、

  • 視聴者の感情を揺さぶらない
  • 職務に一切関係させない
  • 所属や氏名を一切公表しない
  • 広告収入は得ない

等を守り、趣味とするのが得策でしょう。

ただ、このような動画を見てくれる人がいるかは疑問ですが。