公務員がアフィリエイトをしていることは、実はほとんどばれません。
ただし、きちんと対策をしていれば、です。

公務員のアフィリエイトがばれるパターンは大体決まっています。

  • 自分から口を滑らせる
  • 協力者等からの通報
  • 税金関連の通知

これらがほとんどです。


公務員のアフィリエイトはばれる?

対策をすればアフィリエイトがばれることはない

当局の独自調査でばれることはほとんどなく、普段から勤務不良な「問題職員」や別件で犯罪行為等をした職員が調べられることはあっても、普通の職員が身辺調査をされることはありません。

したがって、次のような対策ができていれば、ばれることはほとんどなくなります。

  • 普段から周囲に話さない、特にお酒の席に気をつける
  • 家族を含む協力者等にも外部に漏らさないようにさせている
  • 確定申告をしっかりし、住民税は普通徴収を選択す

加えて、 遅刻早退等の勤務不良はなく、勤務評定も普通以上で、犯罪行為等を起こさなければ、当局に調べられることもありません。

さらに、自分名義ではなく、妻や夫等家族名義でアフィリエイトをしている場合には、ばれる要素はほぼなくなります。

よほど運の悪いことがなければ、アフィリエイトを続けることができるでしょう。

公務員がアフィリエイトをしていることがばれたら

ばれれば懲戒処分

対策ができていなかった、またはよほど運が悪かったせいで、当局にアフィリエイトがばれてしまった場合、残念ながら懲戒処分を受けることになるでしょう。

なかったことにしようとする上司もいるかもしれませんが、隠蔽を図れば上司も重い処分を受けることになります。
あまり期待はできないでしょう。

懲戒処分とは

懲戒処分とは、職員に非違行為があったとき、その職員に対する制裁としてなされる処分をいいます。
懲戒処分には次のものがあります(国家公務員法第第82条、地方公務員法第第29条)。

  • 戒告
  • 減給
  • 停職
  • 免職

戒告とは、職員の非違行為の責任を確認し、その将来を戒める処分をいいます。
減給とは、職員に対する制裁として一定期間、職員の給与の一定割合を減額して支給する処分をいいます。
停職とは、一定期間、職務に従事させない処分をいいます。
免職とは、職員の意に反してその職を失わせる処分をいいます。

このほかに、懲戒処分に至らないものの不問に付することが適当でない場合に、より軽微な処分が科される場合があります。

公務員の懲戒処分に関する規定(抜粋)

国家公務員法第82条
職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
一 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第五条第三項の規定に基づく訓令及び同条第四項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

国家公務員法第84条
懲戒処分は、任命権者が、これを行う。
2 人事院は、この法律に規定された調査を経て職員を懲戒手続に付することができる。

国家公務員法

地方公務員法第29条
職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
一 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

4 職員の懲戒の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。

地方公務員法

懲戒処分の手続き

懲戒処分の手続きは、人事院規則、各地方自治体の条例で定められています。

懲戒処分の手続きが開始されると、懲戒処分担当部署から直接または人事担当部署を通じて職員に対して様々な調査が入ることになるでしょう。
さらに不利益処分であることから懲戒処分担当部署による職員への聴聞があり、それらの結果に基づいて懲戒処分の内容が決められます。
一連の手続きは数日で終わるようなものではなく、場合によっては数カ月以上かかるでしょう。
調査や聴聞の時間的・精神的負担は小さなものではありません。

懲戒処分があると、その事実は公表されます。
処分の重さによりますが、場合によっては個人名まで公表されることもあります。
マスコミがニュースとしての価値があると判断すれば、報道もされます。

懲戒免職になることはほとんどないが

ただし、公務員がアフィリエイトをしたことがばれても、懲戒免職になることはまれです。

アフィリエイトの懲戒処分は

人事院の「懲戒処分の指針について」では、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げています。
その中で、自ら営利企業を営むことの承認を得る手続を怠り、これらの兼業を行った職員は、減給又は戒告とする、としています。
さらに、個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる処分の種類以外とすることもあり得る、ともしています。

したがって、公務員がアフィリエイトをしていた場合の標準的な懲戒処分は減給または戒告になります。
それに懲戒権者が個別の事情を考慮して処分の軽重を決めることになります。

アフィリエイトがもとで懲戒免職になるとすれば、よほど悪質なことをした場合に限られるでしょう。

懲戒処分が重くなるのは

「懲戒処分の指針について」では、懲戒処分が重くなる場合として次のものを挙げています。

  • 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき
  • 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき
  • 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき
  • 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき
  • 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき

例えば、勤務時間中にアフィリエイトサイトを運営していたような場合には、より重い懲戒処分となります。

懲戒処分が軽くなるのは

「懲戒処分の指針について」では、懲戒処分が軽くなる場合として次のものを挙げています。

  • 職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき
  • 非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき

例えば、お金の使い道が親の借金返済や子どもの治療費等涙を誘うものであれば処分が軽くなるかも知れません。
また、アフィリエイトで得た金額を慈善団体に寄付するというのも、いくらかは情状に影響するかもしれません。

このほかにも組合に駆け込む等の方法も考えられます。
ただ、組合の交渉能力が低下している現在、あまり効果を期待できない手段です。
他に頼るものがなく、組合員であるのなら、やらないよりはましかもしれません。

懲戒処分を受けるとその後にも不利益が

制度的な不利益

懲戒処分を受けると、その後にも多くの不利益を受けることになります。

懲戒処分を受けると履歴に記載されますから、懲戒処分を受けた職員であるという「烙印」がおされてしまいます。

懲戒免職の場合には、公務員としての地位を失うことはもちろん、退職金も受け取れなくなります。

停職であれば、停職期間中の給料は出なくなりますし、当分の間昇給が遅れます。その結果退職金の計算でも不利になります。
減給であれば、その期間の給料が減ることになりますし、当分の間昇給が遅れます。その結果退職金の計算でも不利になります。
戒告であれば、その時点での経済的な不利益はありませんが、昇給が遅れることで経済的な不利益を受けます。

制度外の不利益

以上は制度的な不利益ですが、制度外でも不利益を受けます。

人事的には「問題職員」または「準問題職員」としてマークされた状態ですから、普通の職員と同等には扱われないでしょう。

守秘義務が重要になる人事担当部署や予算関係部署に行くことはほぼありません。
公務員の世界で花形とされる部署に行けないのですから、もう出世の道はなくなったも同然です。

公金を扱う部署にも行くことはありませんし、補助金を扱うような部署にもいかないでしょう。
残るのは出先機関の窓口業務等のルーティン型とされる業務です。

出先機関や窓口業務が悪いとは言いません。
しかし、アフィリエイトで成果を出せる、ある意味能力のある人にとって、定年までルーティン型の業務を繰り返す毎日は苦痛以外の何物でもないでしょう。

もちろん、法的にはそのような不利益な取り扱いは認められませんが、現実的には平等には扱われなくなります。

アフィリエイトがばれたときの不利益は大きい

懲戒処分を受けたときの不利益を考えると、ばれても懲戒処分にさえならなければいい、とはならないのではないでしょうか。

もちろん、そうした不利益な取り扱いを跳ね返していく強い職員もおられます。
懲戒処分を受けても、定年まで勤め上げた公務員もたくさんいます。
改心して、日々の公務に励んだのでしょう。

しかし、それまでの勤務はとてもつらく、しかも生産性を高めるのに多くの努力が必要だったと思われます。

そうした不利益があることを理解したうえで、アフィリエイトには手を出さないと考えるのか、絶対ばれないように対策すると考えるのか、それはあなた次第です。