公務員が株主として株主総会に参加することは、基本的に問題ありません。
公務員であっても経済的自由権はあり、株主となり、株主総会に参加することに制限ははかかりません。
ただ、公務員が株主となるのにはいくつかの規定があることに注意が必要です。

公務員が株主総会に参加する

株主総会とは

株主総会は、株式会社の最高意思決定機関で、すべての株式会社は株主総会を置かなければなりません(会社法第295条)。
株主を構成員として、定款の変更、取締役・監査役の選任、会社の解散・合併等、株式会社の基本的事項についての意志を決定します。

株主総会には、定時株主総会及び臨時株主総会があります。
定時株主総会は年度に1回開催することが義務付けられています(会社法第124条2項)。
決算の承認とそれにともなう余剰金分配決議、役員の選任決議を行うことが目的で、通常決算の発表後に行われます。

臨時株主総会は、会社の合併や分割、株式交換等、決議されるべき重大なことが発生した際に臨時に行われるものです。

株主は、株式会社の株式を保有する者です。
株主は、

  • 株主総会に参加できる権利(議決権)
  • 配当金を求める権利(配当請求権)
  • 会社解散時に残った財産の分配を求める権利(残余財産分配請求権)

等があり、株主であれば株主総会に参加し、経営者に意見することもできます。

株主は会社の所有者として、株主総会に参加して会社の経営者に意見することができます。
これは公務員であっても変わることはありません。
公務員が株主になることも、株主総会に参加することも、禁止する規定はありません。

株主総会参加は年休で

近頃は休日開催する会社も増えていますが、多くの会社では株主総会は平日に開催されています。
たとえ職場の近くで開催されていても、しっかり年休を取得して参加しましょう。

ありえないことですが、年休を取らないで参加すれば職務専念義務違反になります。

公務員株主の義務

公務員が株主になることも、株主総会に参加することも、禁止されません。
しかし、一部の株主である公務員には義務が発生する場合があります。

本省審議官以上の国家公務員

本省審議官級以上の職員は、毎年の株取引等についての株取引等報告書を、各省各庁の長等に提出しなければなりません(国家公務員倫理法第7条)。

これは株取引等の報告義務であって、株主となることを禁止するものではありません。
しかも、対象は本省審議官級以上の職員、次官級、局長級や局次長級ですから、ほとんどの公務員には該当しません。

国家公務員倫理法
(株取引等の報告)
第七条 本省審議官級以上の職員は、前年において行った株券等(株券、新株予約権証券又は新株予約権付社債券をいい、株券、新株予約権証券又は新株予約権付社債券が発行されていない場合にあっては、これらが発行されていたとすればこれらに表示されるべき権利をいう。以下この項において同じ。)の取得又は譲渡(本省審議官級以上の職員である間に行ったものに限る。以下「株取引等」という。)について、当該株取引等に係る株券等の種類、銘柄、数及び対価の額並びに当該株取引等の年月日を記載した株取引等報告書を、毎年、三月一日から同月三十一日までの間に、各省各庁の長等又はその委任を受けた者に提出しなければならない。
2 各省各庁の長等又はその委任を受けた者は、前項の規定により株取引等報告書の提出を受けたときは、当該株取引等報告書の写しを国家公務員倫理審査会に送付しなければならない。

国家公務員倫理法

大株主の国家公務員

公務員が株式会社の発行済株式の総数の1/3を超える株式又は特例有限会社の発行済株式の1/4を超える株式を有する場合で、その会社が公務員が在職する機関と密接な関係にあるときは、その公務員は所轄庁の長等を経由して、人事院に報告しなければなりません(人事院規則14―21(株式所有により営利企業の経営に参加し得る地位にある職員の報告等)第1項)。
この密接な関係は、在職期間とその会社とが次のいずれかにあたる場合です(人事院規則14―21(株式所有により営利企業の経営に参加し得る地位にある職員の報告等)第2項)。

  • 法令に基づく行政上の権限の対象
  • 過去5年度以内の年間契約総額が二千万円以上
  • 行政指導の対象

所轄庁の長等は、職務遂行上適当でないかどうかの見解や配置換等の有無等を記載した書類を報告書に添付して人事院に送付します(人事院規則14―21(株式所有により営利企業の経営に参加し得る地位にある職員の報告等)第4項)。

株式会社の1/3超の株式や特例有限会社の1/4超の株式を保有している国家公務員で、かつ、その会社と密接な関係にある職場に在籍するのは、レアケースでしょう。
仮にそのレアケースに当てはまっても、必ずしも株を処分する必要はありません。

株式保有を続けるか、配置換等になるか、いずれかを選べばいいのです。

人事院規則14―21(株式所有により営利企業の経営に参加し得る地位にある職員の報告等)
第二条 職員(非常勤職員(法第八十一条の五第一項に規定する短時間勤務の官職を占める職員を除く。)及び臨時的職員を除く。以下同じ。)が株式会社の発行済株式の総数の三分の一を超える株式又は会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第三条第二項に規定する特例有限会社の発行済株式の四分の一を超える株式を有する場合で、当該株式会社又は当該特例有限会社(以下「会社」という。)が当該職員の在職する国の機関(会計検査院、内閣、人事院、内閣府、各省並びに宮内庁及び各外局をいう。)又は行政執行法人(以下「在職機関」という。)と密接な関係にあるとき(以下「株式所有により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合」という。)は、当該職員は、株式所有状況報告書により、所轄庁の長又は行政執行法人の長(以下「所轄庁の長等」という。)を経由して、人事院に報告しなければならない。
2 前項の「密接な関係」とは、次のいずれかに該当する場合の会社と在職機関との間の関係をいう。
一 会社が在職機関の有する法令に基づく行政上の権限(単に報告を受ける等の権限を除く。)の対象とされている場合
二 株式所有状況報告書の作成の日から五年さかのぼった日の属する年度以降の年度(その日の属する年度にあっては、その日以降の期間に限る。)のうちのいずれかの年度において会社と在職機関との間で締結した契約の総額が二千万円以上である場合
三 会社が在職機関による行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第六号に掲げる行政指導の対象とされている場合
3 略
4 所轄庁の長等は、前項の規定により株式所有状況報告書が提出された場合には、次条第一項の基準に照らし職員の職務遂行上適当でないかどうかの見解、配置換その他の方法による職員の職務内容の変更の有無及びその他の参考となる事項を記載した書類を添付して遅滞なくこれを人事院に送付するものとする。

人事院規則14―21(株式所有により営利企業の経営に参加し得る地位にある職員の報告等)

公務員も問題なく株主総会に参加できる

公務員が株主になることも、株主総会に参加することも、ほぼ問題ありません。
ごく一部の国家公務員には報告義務が課されること等がありますが、ほとんどの公務員にはそうした義務もありません。
報告義務がある公務員であっても株主総会に参加することは制限されていません。

ただ、職場では株主総会の話はしないほうがいいでしょう。
「株主」という資本家がいることを好ましく思わない公務員は意外といます。
彼らの嫉妬を生み出してもいいことはありません。

資本家は目立つことがないように、慎重に行動してください。

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