公務員が株式投資をしていても、必ずしも確定申告をしなければならないわけではありません。
また、赤字になった場合には申告義務はありませんが、確定申告をした方がいいでしょう。

具体的に、確定申告が必要になるのはどのような方でしょうか。


株式投資にかかる確定申告が必要な方

株式投資で確定申告する必要があるのは次の方です。

確定申告の義務のある方

  • 「源泉徴収ありの特定口座」以外の口座を利用していて株式譲渡益が年20万円を超える方

確定申告をするとメリットのある方

  • 年間を通して株式譲渡損があり繰越控除を受けたい方

したがって、源泉徴収ありの特定口座を利用している方、利用していなくても株式譲渡益が年20万円以下の方は確定申告が不要です。

確定申告書の提出期間

令和元年分の確定申告書の提出期間は
令和2年(2020年)2月17日(月)から3月16日(月)まで
です。

締切に遅れると期限後申告として取り扱われます。
期限後申告になると、原則として申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課されることになります。

確定申告は期間内にしてください。

株式投資にかかる所得税及び復興特別所得税

株式売却による利益や損失は「譲渡所得」に区分され、他の所得とは合算せずに計算します(申告分離課税制度)。

特定口座を利用している場合、証券会社が上場株式について年間の売却損益を計算し、その結果は「年間取引報告書」として送付されます。
確定申告書の作成は、これに基づいて行うこととなります。

なお、源泉徴収ありの特定口座を利用している場合には、すでに所得税等が源泉徴収されているので、確定申告は不要です。
ただし、この場合でも年間を通して売却損がある場合にはこれを繰り越すことができるので、申告したほうがいいでしょう。

譲渡所得の計算

譲渡所得の金額は、1年間の譲渡価額から必要経費を控除して計算します。

必要経費は、取得費、譲渡費用及び借入金利子からなり、取得費が不明な時は売却価額の5%として計上できます。

株式の売却損の損益通算と繰越控除

株式売却損が生じた場合には、次の順で損益通算及び繰越控除が認められています。

1 他の銘柄の売却益との損益通算

他の銘柄の株の売却益と損失を通算することができます。
ただし、上場株式等と一般株式等との通算は認められていません。

2 配当等との損益通算

上場株式等の売却損は、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得や特定公社債等の利子等と通算することができます。

3 繰越控除

以上の損益通算でも控除しきれない売却損については、翌年から最大3年間繰越控除を受けることができます。
なお、繰越控除を受けるためには、売却損の発生した年から繰越控除の適用を受ける期間は、毎年申告書の提出が必要です。

株式投資にかかる確定申告書の作成

株式投資にかかる確定申告書作成の概要を書いていきます。

なお、詳細については国税庁のHP等を参照してください。
また、具体的な税額の計算については税理士さんにご相談ください。

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確定申告に必要な書類等

自分で用意する書類等

  • 年間取引報告書
  • 源泉徴収票

税務署等から入手する書類等

  • 株式等にかかる譲渡所得等の金額の計算明細書
  • 確定申告書様式B
  • 申告書(分離課税用)

特に株式投資にかかる部分だけを抜き出して書きます。
書類等はおおむね計算・記入していく順に記載しています。

1 株式等にかかる譲渡所得等の金額の計算明細書

(1)1面

住所氏名等を記入し、年間取引報告書等から収入金額(譲渡による収入金額等)、必要経費又は譲渡に要した費用等(取得費(取得価額)等)について、一般株式等及び上場株式等ごとに転記、所得金額等を計算します。

(2)2面

取引明細等を年間取引報告書等から記入します。

2 確定申告書様式B 第一表

(1)所得金額及び所得から差し引かれる金額

「源泉徴収票」等から必要な項目を転記し、それらをもとに所得金額合計⑨及び所得から差し引かれる金額25を計算します。

(2)税金の計算

「確定申告書(分離課税用)第三表」で計算した税額の合計を税額の計算「第三表の86」27に転記、復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)を計算して記入します。

3 確定申告書(分離課税用)第三表

(1)課税されれる所得金額

「株式等にかかる譲渡所得等の金額の計算明細書」の「収入金額」の小計③、所得金額⑪、繰越控除後の所得金額⑬の合計を、「確定申告書(分離課税用)第三表」の収入金額・分離課税の「一般株式等の譲渡」ツ・「上場株式等の譲渡」ト、所得金額・分離課税の「一般株式等の譲渡」64・「上場株式等の譲渡」65、「税金の計算」の課税される所得金額・6465対応分73にそれぞれ転記します。

「確定申告書様式B 第一表」の所得金額合計⑨及び所得から差し引かれる金額25を、「確定申告書(分離課税用)第三表」の税金の計算・「総合課税の合計額」⑨及び「所得から差し引かれる金額」25に転記します。

(2)税金の計算

税金の計算・課税される所得金額に、それぞれ対応する税率を乗じて所得税額を計算します。
なお、株式の譲渡所得にかかる税率は15%です。

計算された税額は「確定申告書様式B 第一表」の税額の計算「第三表の86」27に転記します。

4 確定申告書様式B 第二表

住所氏名、所得の内訳等必要事項を記入します。

職場に株式投資をしていることを隠しておきたい方は、住民税・事業税に関する事項の「給与・公的年金に係る所得以外の所得にかかる住民税の徴収方法の選択」で「自分で納付」に〇をつけてください。

住民税が特別徴収(源泉徴収)ではなく、普通徴収になります。
職場を通さず、区市町村から送られてきた納付書を使って自分で納付することになります。

住民税の普通徴収を選択

住民税を特別徴収にすれば給料天引きで納税できるので、普通徴収よりも負担が少なくなります。

しかし、特別徴収では同僚より高額な住民税の通知が職場に届くことになり、株式投資をしていることが職場にばれる場合があります。

同僚の嫉妬など、職場での面倒事を避けたい方は、住民税の納付を普通徴収にしたほうがいいでしょう。

実際、職場にばれないように、住民税の納付を普通徴収にして職場に伝わらないようにしている方がたくさんいらっしゃいます。