物販ビジネス(せどり)のせいで懲戒処分も

公務員の物販ビジネス(せどり)は、国家公務員法、地方公務員法で制限されている自ら営利企業を営むことに該当します(国家公務員法第103条、第104条、地方公務員法第38条)。
そのため物販ビジネス(せどり)を公務員が行うためには、人事院等の承認または任命権者の許可が必要です。
しかし、物販ビジネス(せどり)は承認または許可の基準に適合せず、承認または許可されることはありません(人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について)。

承認または許可なく物販ビジネス(せどり)をしていることがばれれば、懲戒処分の対象になります(国家公務員法第82条、地方公務員法第29条)。

また、勤務中に物販ビジネス(せどり)に関すること、例えば購入者とのやり取り等をした場合には職務専念義務違反も問題になります(国家公務員法第101条、地方公務員法第35条)。
これもばれれば懲戒処分の対象です。

その他の法律に違反することも

公務員の物販ビジネス(せどり)は国家公務員法、地方公務員法のほか、その他の法律に違反する危険性もあります。
違法行為があった場合には、それぞれの法律に定められた罰則が科せられるだけでなく、信用失墜行為(国家公務員法第99条、地方公務員法第33条)として懲戒処分をも科せられるおそれがあります。

古物営業法

古物を売買等する営業する場合には、古物商免許を受ける必要があります(古物営業法第3条第1項)。
古物商免許を受けずに古物を売買等する営業をした場合、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます(古物営業法第31条第1号)。

ただし、上記の古物を売買等する営業には、古物の売却のみまたは自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うものは含まれません。
また、古物を全くの無償で、または処分手数料等を徴収して引き取ったものを売る場合は、古物商の許可は必要ありません

したがって、売却目的で、一部でも有償で古物を買い入れることを反復継続して行う場合には古物商免許を受ける必要があります。

Q1
「古物」とはどのような物をいうのですか?
A
古物とは、一度使用された物品、若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいいます。
(中略)
Q2
自分で使っていた物をオークションで売りたいと思いますが許可は必要ですか?
A
自分で使用していたものも中古品ですので古物には該当しますが、自己使用していたもの、自己使用のために買ったが未使用のものを売却するだけの場合は、古物商の許可は必要ありません。
しかし、自己使用といいながら、実際は、転売するために古物を買って持っているのであれば、許可を取らなければなりません。
(中略)
Q4
無償で譲り受けた古物を販売する場合も古物商の許可は必要ですか?
A
古物の買い受け、交換又はこれらの委託により、売主等に何らかの利益が生じる場合は、許可が必要ですが、全くの無償で引き取ってきたもの、あるいは、逆に処分手数料等を徴収して引き取ったものを売る場合は、古物商の許可は必要ありません(廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定められた許可を要する場合があります)。これは、古物営業法は、盗品等の流通防止や早期発見を目的としているので、例えば窃盗犯人が盗品を処分しようとするときに、何ら利益もなく処分する可能性が低いからです。


警視庁「古物営業法FAQ」https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/tetsuzuki/kobutsu/kaisetsu/faq.html

酒税法

お酒の販売を継続的にすると、「酒類販売業」に該当することになります。
営利を目的とするかどうかまたは特定もしくは不特定の者に販売するかは問いません。
酒類販売業に該当した場合には酒類販売免許を受ける必要があります(酒税法第9条)。これに違反した場合には1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます(酒税法第56条第1項第1号)。

迷惑防止条例

物販ビジネス(せどり)ではありませんが、チケット等の転売は、多くの都道府県の迷惑防止条例で禁止されています。
例えば、東京都では、これに違反すると6月以上の懲役または50万円以下の罰金、常習の場合には1年以上の懲役または100万円以下の罰金が科されます(東京都公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第2条、第8条第1項第1号、同条第8項))。

特定商取引法

インターネット・オークションを通じて販売を行っている場合であっても、営利の意思を持って反復継続して販売を行う場合は、法人・個人を問わず事業者に該当し、特定商取引法の規制対象となります
したがって、特定商取引法の定める義務に違反した場合は行政処分や罰則の適用を受けます(インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン)。

「販売業者」に該当すると考えられる目安として次のものを掲げています。

  1. 過去1ヶ月に200点以上又は一時点において100点以上の商品を新規出品している場合
    • 但し、トレーディングカード、フィギュア、中古音楽CD、アイドル写真等、趣味の収集物を処分・交換する目的で出品する場合は、この限りではない。
  2. 落札額の合計が過去1ヶ月に100万円以上である場合
    • 但し、自動車、絵画 、骨董品、ピアノ等の高額商品であって1点で100万円を超えるものについては、同時に出品している他の物品の種類や数等の出品態様等を併せて総合的 に判断される。
  3. 落札額の合計が過去1年間に1,000万円以上である場合