公務員が仮想通貨(暗号資産)取引をしても、公務員法上の問題にはなりません。
預貯金や株式取引と同様、資産運用・利殖の手段であって、国家公務員法第103条及び第104条、地方公務員法第38条で制限される副業にあたることはありません。
公務員個人が資産運用・利殖の範囲で仮想通貨(暗号通貨)取引をすることに、人事院の承認または任命権者の許可は不要です。


仮想通貨(暗号資産)とは

仮想通貨(かそうつうか virtual currency)は、一般的には「ネットワーク上で電子的な決済の手段として広く流通しているものの、法定通貨(法貨)との比較において強制通用力を持たない、または特定の国家による裏付けのないもの」をいいいます。

なお、現在「仮想通貨」は法律上「暗号通貨」と呼ばれます。
「仮想通貨」のままでは法定通貨と紛らわしく、誤解を招くことがありました。

この点、2018年の国際会議で「暗号資産」(Crypto Asset)の呼称が使われたことをきっかけに、日本でも2019年5月に「暗号資産」への呼称変更などを盛り込んだ資金決済法や金融商品取引法の改正法が国会で可決成立しています。

公務員は法律に従って行動することになっていますので、表向き「仮想通貨」ではなく「暗号資産」と呼んだほうがいいかもしれません。

仮想通貨取引は大きな利益になることもあるが・・・

2017年頃から大ブームとなり、「億り人」といった流行語まで生んだ仮想通貨、株式投資やFXに並ぶ、またはそれ以上の金融商品として知られるようになりました。
仮想通貨取引には次のような特徴があり、大きな利益につながるチャンスがあります。

仮想通貨は値動きが激しい

仮想通貨取引での利益は、売買での利ざやを稼ぐことで生まれます。
仮想通貨の価格推移を予測し、購入時との差額が利益となるのです。
仮想通貨は株式よりも値動きは非常に激しいので、大きな利益を得るチャンスが多いのです。
もちろん、予測に反して価格が推移した場合には大きな損失となる恐れもあります。

仮想通貨は値幅制限がない

また仮想通貨は値幅制限が設けられておらず、ストップ高やストップ安というものがありません。
1日で価格が10倍になる可能性がある一方、1/10になる恐れもあります。
仮想通貨取引は、ハイリスクハイリターンであることを忘れてはいけません。

仮想通貨は送金手数料が安い

仮想通貨取引は電子データをやり取りして行います。
中央銀行や金融機関といった公的な発行主体や管理者が存在せず、専門の取引所を通して取引します。
このため仮想通貨取引は送金手数料が安いという特徴があります。

仮想通貨取引には特有の問題も

仮想通貨取引はセキュリティが重要

仮想通貨はネット上に存在する金融商品であることから、ハッキング等によるリスクがあります。
2014年には取引所「マウントゴックス」がハッキングの被害を受け、ビットコイン約75万BTC(当時のレートで470億円前後)と顧客がビットコインの売買の資金として預けていた現金28億円が消失する事件が発生しています。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2802C_Y4A220C1MM8000/
2018年にはクラッキングにより、コインチェックが保持していた仮想通貨NEM建ての顧客資産が取引所から外部に送金されるなどして、ほぼ100%流出してしまう事態が発生しました。(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26231090X20C18A1MM8000/
仮想通貨取引は、セキュリティが堅牢な取引所で行うことが必須です。

仮想通貨取引は税負担が重くなりがち

仮想通貨取引で得た利益は、所得税法上雑所得として扱われます。
株式投資では一律の所得税率ですか、仮想通貨では累進税率になりますので、儲かれば儲かるほど税負担が大きくなります。

公務員は職務専念義務を遵守しなければ

公務員が仮想通貨取引をするにあたって特に注意しなければならないのが、職務専念義務です。

公務員が仮想通貨取引をすること自体には問題ありませんが、勤務中は職務に専念することが大前提です。
勤務時間内に仮想通貨取引をしていることが、職場にばれれば懲戒処分の対象になってしまいます。

株式取引やFXもそうなのですが、取引をしていることが原因で懲戒処分になるということはありません。
ただ、勤務中に取引をしていることが職場にばれれば懲戒処分になることがあります。

これは仮想通貨取引についても同様です。
公務員は職務専念義務に違反しないよう気をつけて仮想通貨取引を行いましょう。